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専門外来

ぶどう膜炎外来

ぶどう膜炎は、眼内に炎症が起きている状態です。

分類の仕方は複数ありますが、例えば、

  • 炎症が起きている眼球内での部位(前部、中間部、後部、または全体に起きている汎ぶどう膜炎)
  • 原因や由来(感染性・非感染性、外因性・内因性)
  • 経過のしかた(急性・慢性)
  • 炎症の性質(肉芽腫性・非肉芽腫性)
  • 両眼か片眼か

などが挙げられます。

また、肝心の原因についてですが、「過半数は原因不明で確定診断がつかない」ことが特徴です。
しかしながら、いろいろな検査結果だけでなく、上記のような炎症の特徴や患者さんの全身状態、症状や所見を取り巻く周辺の状況も手がかりに、的確に消炎することを意識して取り組んでいます。

診察日時 水曜日 9:00〜
担当 朱さゆり、松田順繁、北原潤也

主な症状

ぶどう膜炎の症状には、様々な種類・程度のものがあります。

  • 霧視(霧がかってぼやけて見える)や視力低下
  • 羞明(いつも以上に光がまぶしく感じる)
  • 飛蚊症(黒い点や線が飛んで見えること)の「極端な」増加
  • 過度な充血、眼の痛み など

飛蚊症は生理的に誰もが多少はもっているもので、充血はアレルギー、目のかすみや痛みも眼精疲労などで一時的に起こることがありますが、それらが様子を見ても改善せずむしろ悪化していくことが炎症の特徴といえます。

検査

ぶどう膜炎の合併症として他の眼疾患(白内障・緑内障・網膜剥離・硝子体出血など)を生じることもあるため、
共通の一般的検査(視力・眼圧・眼底写真)以外にもあらゆる検査を行う可能性があります。
中でも眼炎症に特徴的な検査としては、レーザーフレアセルメーターで炎症の程度を測定して数値に表したり、点滴をつないで造影剤を注入する蛍光眼底造影検査にて肉眼では見えない眼の奥の炎症を見つけるといったものがあります。
また、【治療】の項目にもあるように、ぶどう膜炎は眼科の中では全身疾患との関連が最も多い分野であるため、血液検査・X線・CT・MRIを行うことも少なくありません。
さらには、眼に細い針を刺して眼内液を採取し、炎症を起こしている原因を調べるためのPCR検査を行うこともあります。

治療

治療薬として最も使用されているものはステロイド薬ですが、その投与方法には点眼・眼局所注射・内服・点滴(点滴の場合は入院が必要)があります。
点眼は炎症の強さによって回数を細かに調節しています。
例えば1日に3~4回(白内障手術をした患者さんと同じ回数)から5~6回(網膜剥離の手術をした患者さんと同じ回数)が多いですが、よほどの強い炎症であれば、起きている間1時間毎に点眼していただくこともあります。
これは回数でいえば1日15回程度となりますが、網膜剥離の手術をした患者さんの約3倍の量に相当します。
外来通院であっても、手術を受け入院している患者さんよりも多くの回数を点眼する必要があるほど、原因不明の強い炎症が起こることがあるのです。
また、点眼で効果が乏しい場合には眼に注射をすることもありますし、全身疾患の一症状として眼に炎症が起きている場合、内服することも少なくありません。
ステロイド薬の内服により副作用が出るような場合には、ステロイドの代わりとして免疫抑制薬や生物学的製剤(2ヶ月に1回のインフリキシマブ点滴通院、2週間に1回の自宅でのアダリムマブ皮下注射)を用いることもあります。
眼だけではなく全身の健康状態を把握しながら進めていくため、内科の先生(患者さんがお子さんの場合には小児科の先生)とも協力しています。
可能な限り入院・手術をせずに改善していくことが理想ですが、炎症による後遺症(白内障・緑内障・網膜剥離・硝子体出血など)が著しい場合には手術をせざるを得ない場合もあります。

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