ページトップへ戻る

教室案内

教授あいさつ

信州大学眼科の目標

教授 村田 敏規

信州大学発の治療方法が、
眼科の教科書を書き換え、
多くの患者さんの
助けになることを目標に

信州大学眼科学教室が目指すのは、信州から日本にそして世界に、患者さんの視力を守るための、私たちの経験を情報として発信することです。
例えば脳梗塞や心筋梗塞、その他の大きな病気のように、その人の外観から不自由さが見て取れる病気と異なり、視力の低下は、周囲にいる健康な人々には、患者さんの不自由を実感しにくい側面があります。
田舎の歩道がない細い道で運転中に、左前方に歩行者をみつ けた場面を想像してください。左目の視力を突然完全に失った患者さんから伺ったお話です。遠近感は両目で見て初めて感じることができるものなので、歩行者との距離感がなく、とくに追い越す時に何回もブレーキを踏んでしまうそうです。小さいお子さんがいらっしゃるのですが、キャッチボールをするとき、子供のゆっくりとした球でも、ボールと自分の距離がわからず、160キロの速球並みに突然手元に届く感じがして、捕球が難しいそうです。片眼の視力を失うことは、片腕や片足が失われるのに匹敵する不便がありますが、周りの人間にはそれを実感できません。従って視覚障害の怖さを、私たちは日常ほとんど意識できません。
高齢になればだれでも抱える白内障も、日本ではほとんど問題になりませんが、手術ができない発展途上国では断然失明原因の一位になります。ご本人の生活の質も下がりますが、日本では考えらないことですが、白内障で視力を失った高齢者の介護も家族の大きな負担だそうです。白内障手術ができる眼科医、これが町に一人いるだけで、住民の皆さんの生活に質は格段に上がります。
現代の医学でも、適切な治療が受けられなければ視力を完全に失うリスクを伴う疾患があります。失明原因首位の緑内障、勤労世代の視覚障害原因として多い糖尿病網膜症、突然発症する網膜剥離など、もしもの時には視力を救える病院が長野県にはある、信州大学眼科はそういう存在でいたいと考えています。
信州大学は、東京をはじめとする大都市からも、ましてや海外の有名な病院や大学とは遠く離れた長野県にありますが、そういった日常の経験に基づいた研究発表を日本眼科学会総会やAmerican Academy of Ophthalmology、ヨーロッパ、アジアの学会に発表し論文を世に送り出しています。信州大学と書くと一つの地方大学ですが、Shinshu Universityと表記すると、眼科では、世界ブランドであると自負しています。信州大学発の治療方法が、眼科の教科書を書き換え、多くの患者さんの助けになる。そういう目標をもって日々の診療に励んでいます。
ホームページを訪れてくださりありがとうございます。信州大学眼科をよろしくお願い申し上げます。

見学申し込み