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専門外来

黄斑変性外来

眼においてフィルムの役割をしている網膜の、中央にあたる最も重要な部分を黄斑といいます。黄斑外来では、この黄斑に障害が出てくる病気の中で、特に加齢黄斑変性を中心に、内科的に治療する疾患を担当しています。

当外来の担当疾患

  • 加齢黄斑変性
  • 加齢黄斑変性以外の脈絡膜新生血管
  • 中心性漿液性脈絡網膜症
  • 黄斑ジストロフィー など
診察日時 毎週木曜日 9:00〜11:30
担当 吉田紀子、平林一貴、宮坂英樹、中村麻里恵

主な症状

黄斑が障害されると、視力低下、ものがゆがんで見える、視界の中心が暗いといった症状が起こります。
当外来の代表的な疾患である加齢黄斑変性について説明します。

加齢黄斑変性とは

年齢を重ねる間に、黄斑部が傷んでくる(変性する)病気が、加齢黄斑変性です。50歳以上の日本人の100人に1人がこの病気であるといわれています。
この病気の特徴は、文字や人の顔など一番見ようとするところ(視界の中心部分)が見づらくなることで、その結果、日常生活が大変不自由になってしまいます。
加齢黄斑変性は、黄斑の細胞が徐々に萎縮してしまう萎縮型と、網膜の後ろ側に異常な血管(新生血管)が伸びてくる滲出型があります。特に滲出型では、新生血管から漏れた水が網膜下にたまったり、眼底出血を起こしたりして視力低下が進行していきます。

検査

眼底写真 眼底(眼の中)の写真を撮影し、病変様子や範囲、出血の量などを評価します。
光干渉断層計(OCT) 病変部の断層写真を撮影し、網膜のむくみや新生血管の様子を評価します。治療効果の判定にも有用な検査です。
蛍光眼底造影検査 造影剤を注射して網膜の写真を撮影します。加齢黄斑変性のタイプを判定し、治療方針を決定する上で重要な検査となります。
OCTアンギオグラフィ 造影剤を用いずに血管の状態や新生血管の有無を評価できる、新しい検査です。

治療

残念ながら、加齢黄斑変性を根治できる治療法はありません。特に萎縮型は経過観察が基本となります。
滲出型では、新生血管を早めに固めて、被害を最小限に抑えていく治療を行っています。

抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体療法

新生血管の原因となっている血管内皮増殖因子を抑制する薬剤を眼内に注射します。4〜12週間毎に数回(使用する薬剤により異なります)投与を行います。外来での治療が可能です。

光線力学療法

光感受性物質(ある波長の光に反応して細胞を傷害する物質を生成させる薬剤)を投与し、新生血管に蓄積したところで、網膜の細胞に障害をきたさない程度の弱いレーザー光線をあてて新生血管を閉塞させます。外来で治療可能ですが、5日間太陽光などの光を遮る必要があります。

レーザー光凝固

新生血管をレーザー光線で直接凝固する方法です。黄斑の中心以外に新生血管がある場合に選択することがあります。

同じ疾患の方でも、新生血管の位置、深さ、病気の期間などにより、治療法や視力の経過は変わってきます。まずは当外来にて精密検査をした上で、どの治療法がよいか相談させていただきます。

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