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専門外来

糖尿病網膜症外来

糖尿病網膜症の診察や治療を行う専門外来です。
糖尿病網膜症は、緑内障・網膜色素変性症に続き本邦の後天性視覚障害原因の第3位を占める疾患です。糖尿病網膜症は糖尿病患者の約30%程度に発症するといわれています。国内の糖尿病罹患率が上昇していることから、今後も視力低下や失明の原因として大きな問題であり続けることが予想されます。

診察日時 毎週金曜日 9:00〜
担当 時光元温、平野隆雄、今井玲子、星山健、知久喜明

主な症状

糖尿病網膜症は高血糖に起因した代謝異常により様々なサイトカインやケモカインが誘導されることで引き起こされる網膜の微小血管障害です。二次的に様々な眼底病変がもたらされ、神経障害・腎症とともに、糖尿病の三大合併症と称されます。糖尿病網膜症は、単純網膜症と呼ばれる比較的早期の段階から増殖前網膜症、増殖網膜症という順に病期が進行します。硝子体出血や牽引性網膜剥離を引き起こす増殖網膜症の段階にいたるまでは自覚症状にとぼしいため、視力低下を起こすころには症状が進行し治療が困難なことが多いです。そのため糖尿病と診断された際は定期的に眼科検査を行い、適切な治療を行うことが重要となります。

糖尿病網膜症の病期

硝子体出血

検査

他の疾患でも行われている視力・眼圧測定や医師による眼底鏡検査などの他に、蛍光眼底造影検査や光干渉断層計(Optical coherence tomography:OCT)などを行い網膜血管の障害の程度や黄斑浮腫を評価します。その他にも当院では1回の撮影で広範囲の眼底を評価することが可能な広角眼底撮影装置や非侵襲的に網脈絡膜循環を評価可能な光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography:OCTA)などを積極的に診療に活用しています。

蛍光眼底造影検査

OCT

広角眼底写真

OCTA

治療

蛍光眼底造影検査やOCTAで広範囲に無灌流領域や新生血管を認めた際は汎網膜光凝固を行います。従来、汎網膜光凝固には手術時間が長いことや疼痛が問題としてありましたが、当院ではショートパルス・高出力を特徴としたパターンスキャンレーザーを用いることでそれらの問題に対応しています。遷延する硝子体出血や牽引性網膜剥離を伴う症例では硝子体手術を行います。近年では小切開硝子体手術(25G、27G)を行うことで術後の炎症を軽減し治療成績も向上しています。OCT検査等で黄斑浮腫を認めた際は、従来のレーザー光凝固(毛細血管瘤への直接凝固、無灌流領域へのグリッド凝固)、ステロイドの局所投与、硝子体手術に加え、血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)阻害薬の硝子体注射などから、個々の患者さんの病態に応じた最適な治療を選択しています。

汎網膜光凝固後の眼底写真

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