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お知らせ

  • 2022.08.26

    信州大学医学部附属病院【日帰り眼科手術】始動について

      信州大学附属病院では多くの白内障患者が来院され年間700件程度の手術を行ってきました。ただ、地域の基幹病院として網膜剥離や眼球破裂などの緊急手術、緑内障、糖尿病網膜症、角膜疾患などの難治性疾患に対する手術が多いため、白内障手術を決定しても実際に行うまでには3~4か月待つことも多く、患者さんにもご迷惑をおかけしていました。ただでさえそのような状況の中、コロナ禍と病棟改修によりすべての科において使用できるベッド数が減少いたしました。以前、眼科では共通病床を含め30床程度を運用しておりましたが、現状は20床しか使用できません。そのため、緊急・難治性疾患を優先せざるをえず、白内障の患者さんには予定の白内障手術を延期していただいたり手術までの待ち時間が半年と長期間となり多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。この問題に対しては病床を使わない外来での日帰り白内障手術が一つの解決策となるのですが、患者さんが手術前に行う点眼や術後の経過をみるためのスペースや人員の確保が障壁となっていました。

     そのような中、手術室内の1つの部屋が広いスペースがあるにもかかわらず、効率的な運用がなされていないとのことで、有用な使用方法がないかと病院側よりお話しをいただきました。このような様々な条件が重なり、当院にて手術室の一室を診察室・患者さんの待機場所として利用する眼科日帰り手術を行うこととなりました。初期の日程では2020年度中に開始する予定でしたが、コロナ禍による資材不足などにより改装が大幅に遅れてしまいました。しかし、20227月についに改装が終了し、818日には日帰り白内障手術4件を無事、施行することができました。たまたま、右眼を入院で左眼を日帰り手術で行った患者さんがいらっしゃったのですが、“日帰りの方が断然楽でよかった。”というお言葉をいただきました。ここまで解決すべきことも多かったですが開始できて本当に良かったと思える瞬間でした。

     現状、毎週木曜日の午後2時から白内障3~4件程度、緑内障手術の中でも侵襲の少ない経強膜的毛様体光凝固という手術を月に1~2件程度行っていく予定です。また対象は、独歩可能で通院の必要性を考えて信州大学附属病院から1時間圏内にお住まいで眼科医が診察し日帰りで手術可能と判断した患者さんとしております。ご興味のある患者さんがいらっしゃいましたらぜひご相談ください。

     

    手術室内に新設された眼科診察室
    視力・眼圧検査を含め一通りの眼科診察を行えます。ここで手術直前の診察を行います。

     

    手術室内に新設された患者さんの回復室
    カーテンで仕切ることができる、リクライニング可能な椅子が4つ配置されています。ここで、手術前の点眼や手術後の経過観察を行います。

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